MeetsVOICE いぶくろ聖志さん Part1 箏奏者とMITSUBOSHI 1887の出会い
MITSUBOSHI1887を愛用してくださっている「使い手」の声と出会うMeets VOICE(ミツボイス)。
今回からは「創り手と創り手のリアルなクロッシング」をテーマとした、
「MeetsVOICE ~創り手、尾州に来る~」
という対面でのインタビュー企画に生まれ変わりました。
今回は和楽器バンドの箏演奏者であるいぶくろ聖志(以下いぶくろ)さんに、代表の岩田真吾(以下岩田)がお話を伺いました。
全3回でお届けします。
◆目次
・和のものだけではなくもっと広く。ロックバンドと和楽器の融合
・「音楽を続けてる理由」は、この世界の「素敵なところ」を再構築して再提示すること
・MITSUBOSHI 1887のウールカットソーで1番好きなところとは?
和のものだけではなくもっと広く。ロックバンドと和楽器の融合
<左(←):いぶくろ聖志さん さん / 右(→):岩田>
(いぶくろ)
「和楽器バンド」というロックバンドで箏を演奏している、演奏者のいぶくろ聖志と言います。
(岩田)
いぶくろさん、本日は遥々尾州まで来ていただきありがとうございます。
和楽器バンドというバンド名は、多くの方が聞いたことがあると思います。
一見すると「和楽器」と「ロックバンド」は水と油の様に大きく異なる物に感じますが、それを掛け合わせようと思ったのはなぜなのでしょう。その背景を教えてください。
(いぶくろ)
和楽器バンドのボーカルの鈴華ゆう子が、詩吟の師範の免状を持っています。
詩吟の伴奏楽器は「箏」と「尺八」なのですが、自分でお抱えの伴奏者を持っている詩吟の歌い手はなかなか居ないんです。
それで僕らで詩吟と箏と尺八でチームを組んで、詩吟に留まらずより面白いことができないか…という発想からスタートしました。
そこから試行錯誤して、和のものだけではなくもっと広くエンターテイメントとして発展させられないか、という発想でロックバンドとの融合と他の和楽器も混ぜて8人組の和楽器バンドという形になったんです。
(岩田)
その結果、演奏を聴いた一般の方々が詩吟や箏などの和楽器にも新しさを感じたという事なんですね。
さて、そんないぶくろさんがなぜ箏を始めたのでしょうか。元々箏を生業にしたご家庭だったんですか?
(いぶくろ)
いいえ、違います。
僕は高校2年の時から箏を始めたんです。
実はそれまで僕はバンドでベースをやっていて、最初はアメリカに留学してプロのスタジオミュージシャンになろうと思っていたんです。
でも、真剣に考える中で、「日本人として生まれたのに、アメリカに行ってそこで発展したジャズを勉強し、帰ってきてプロになる」という事を凄く格好悪く感じてしまったんです。
どうせアメリカに行くのであれば、日本の音楽をきちんと知り、日本人としてアメリカへ行かないと自分のアドバンテージを何も生かせない、と。
そこで高校の「箏曲部(そうきょくぶ)」という部活に入部し、箏に触れたところ、まさに心の琴線が共鳴してしまって。
そのままハマって、高校卒業後に師匠に弟子入りし、プロ活動を開始してます。
(岩田)
元々音楽は好きだったけど、留学検討をきっかけに自分のアイデンティティーを考えた時に、日本の楽器に惹かれたと。素敵なエピソードをありがとうございます。
ちなみに、ご自分で作曲もされているんですか?
(いぶくろ)
自分用に、箏のソロ等を作曲しています。
実は僕らよりももっと前、昭和の後期にクラシック作曲家が箏を使って現代音楽のようなものを作るというのが流行ったんです。
そこで洋と和のまた別の融合があって、僕らは今そのさらに先にいる感じですね。
(岩田)
伝統的な箏の曲は演奏されないんですか?
(いぶくろ)
公式では伝統的な曲はほぼやっていなくて、趣味の延長で少しだけやっています。
元々、箏というのは三味線の伴奏だったことが多くて、伝統的な箏の曲は箏だけでは成立しない事が多いんですよ。
(岩田)
日本古来のものでも知らない事が多いと気づかされました! ありがとうございます。
「音楽を続けてる理由」は、この世界の「素敵なところ」を再構築して再提示すること
(岩田)
さて、今回MITSUBOSHI 1887のお客様の中から「創り手」と呼ばれるアーティストやクリエイターの方にお話を伺っています。
いぶくろさんは音楽活動を20何年以上続けているわけですが、これまでどのような想いで向き合ってきたのでしょうか?
(いぶくろ)
僕が思う自分なりの「音楽を続けてる理由」は、自分が知ってる…というより、皆さんが見ているこの世界の「素敵なところ」を自分の中で昇華し、再構築して「まだこの世界にこんな素敵なところがあるって、知らなかったでしょ?」と再提示することだと考えています。
歌詞とかもそうですよね。そのシンガーの人が見た世界を改めて再提示して、共感を得たりするわけです。
僕の演奏を聴くことで、皆さんが自分の生きてるこの時代や環境をもっと好きになってくれて、楽しくなったらいいなと。
それが、自分が音楽をやってる上での役割だったり意味だったりするのかなと思っています。
(岩田)
なるほど。そういう認識で今まで音楽を聞いた事がありませんでしたが、おっしゃる通りです。
しかも、同じような感情だったとしても、切り口や言葉のチョイス、曲調などを再構築することで、「この感情にはこんな味わい方もあったのか」という自分が知らなかった側面を見せてくれるという事ですよね。
この話を聞いただけで、 多くの人が音楽の楽しみ方や味わい深さを増したと思います。
今の話を聞いてまた共感したのですが、私たち(三星毛糸)はいい服を着た時に感じる「いい服ってやっぱりいい服だったんだ。いい生地ってやっぱりいい生地なんだ」という喜びを、少しでも多く感じていただく事を大切にしています。
「素材が変わるだけで着心地や自分の気持ちが変わる」という事を提案させていただいているという点で、いぶくろさんと同じことをさせていただいているんだという事を再認識させてもらいました。
MITSUBOSHI 1887のウールカットソーで1番好きなところとは?
(岩田)
いぶくろさんがMITSUBOSHI 1887のアイテムと出会ったきっかけは何だったのでしょうか。
(いぶくろ)
実は、インスタグラムの広告なんです。
洋服のブランドは多くありますが、「素材」という一点を押し出した広告を出しているブランドはなかなかありません。
素材を推してくるという事は、よほど自信があるかプライドを持ってる所だろうと思い、今着ているウールカットソーを試してみようと思ったんです。
着た瞬間に本当にいいな、と感じてまたすぐリピートさせていただきました。
(岩田)
素材一点推しのこだわりを体感してくださったんですね。
着用感は良かったですか?
(いぶくろ)
すごくいいと思います。
このカットソーの1番好きな所は、 しっかりハリがある所だと思っています。
僕はウール製品が結構好きで他社のアイテムも着させてもらっているのですが、これまで感じていた事は「ウール製品は丁寧に扱わないといけない」という事なんです。
値段が他の素材よりも高いという事もありますが、丁寧に扱わないと擦れて傷がつきそうで勿体ないと思っていました。
ところが、このウールカットソーは「本当にこれはウールなのか」と思うぐらいしっかりしていて、結構ラフに着る事ができるんです。
生地の密度が凄くて丈夫なので、ヘビーユーズしています。
(岩田)
ありがとうございます。
MITSUBOSHI 1887のTシャツは、ウール商品の中でも凄く良い素材を使ってる事から、 ご購入いただいたお客様の中には勝負服として1年に何回かしか着ないという方もいらっしゃいます。
創り手としては「毎日を少しずつ快適にしたい、気持ちよくなっていただきたい」という想いがあるので、なるべく日常使いをして欲しいんです。
そういう意味では、ヘビーユーズしているといういぶくろさんは完璧な「理想の顧客像」です。
綺麗に日常使いしていただいて、とても嬉しいですね。
—
いかがでしたでしょうか。Part2では、いぶくろ聖志さんというアーティストを深掘りしながらMITSUBOSHI 1887のアイテムに対する想いに触れていく他、三星毛糸工場敷地内の緑地で1曲演奏していただいた動画を大公開!
Part2は11月11日(土)以降以下のボタンからご覧いただけます。楽しみにお待ちくださいませ。